Lamborghini Estoque (2008) ランボルギーニ エストーケ

Filippo Perini
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エストーケは2008年10月1日にワールドプレミアされ、
翌2日から開催されたモンディアル・ド・ロトモビル
通称:パリモーターショー(パリサロン)に出展された、
優雅な4ドアスポーツサルーンです。
「エストーケ」というネーミングは、
マタドールが闘牛に使用する刀剣に由来します。

結局、市販化されることはなかったコンセプトカーですが、
かなり前向きに量産化が検討されていたと思われます。
今でこそウルスがあるわけですが、
このようなラグジュアリーなGTが、
ランボルギーニのラインナップにあってもいいよなと思わされます。

形になったかどうかはさておき、
トラクター、軍用車、F1へのエンジン供給、レースボート、ヘリコプターまで、
いろいろなジャンルに挑戦してきたランボルギーニですので、
当然4座ラグジュアリーGTモデルは昔からありました。

まず初期の400GT、イスレロおよび、
70年代のウラッコ、ハラマが2+2でした。
そして2ドア4座ラグジュアリーGTモデルとしては、
エスパーダが存在したほか、
クライスラーの傘下だった1987年のフランクフルトモーターショーでは、
ポルトフィーノという4ドア4座コンセプトカーを発表していたこともあります。

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2000年代のランボルギーニのデザイン体制

ランボルギーニがアウディ傘下となった1999年以降、
2002年3月からアウディブランドグループのデザインディレクターは、
ワルター・マリア・デ・シルヴァ(Walter Maria de’ Silva) が務めており、
デ・シルヴァはその後2007年2月から2015年11月まで、
フォルクスワーゲングループ全体のデザインのトップに就任することになります。

なお、エンジニアリング部門に隣接する形で敷地面積 2900㎡ の、
プロトタイプ生産設備やテスト施設も備えた、
ランボルギーニのデザイン部門、
Centro Stile チェントロ・スティーレ (スタイル・センター) が完成したのは、
2004年でした。

エストーケのプロジェクトが進行していたタイミングで、
ランボルギーニのチーフデザイナーだったのは、
フィリッポ・ペリーニ氏です。
2007年~2016年までランボルギーニのデザインディレクターとして、
重要なモデルを多数デザインしてきた人物です。
近年のランボルギーニデザインを語る上では外せないデザイナーです。

エストーケをデザインしたフィリッポ・ペリーニ氏の作品

1995年にカーデザイナーとしてキャリアをスタートさせ、
2001〜2002年にアルファロメオ、
2003年~2004年にアウディで、
それぞれエクステリアデザイナーを務め、
ランボルギーニにて内外装のデザインに関わったのは2004年からとなります。

フィリッポ・ペリーニ氏がランボルギーニのチーフデザイナーとして世に出したモデル

2006年2月28日、ムルシエラゴ LP640 (Murciélago)
2007年9月11日、レヴェントン (Reventón)
2008年10月1日、エストーケ・コンセプト
2010年3月1日、ガヤルドLP570-4 (Gallardo)
2011年3月1日、アヴェンタドール (Aventador)
2012年4月22日、ウルス (Urus)
2013年3月4日、ヴェネーノ (Veneno)
2013年12月20日、ウラカン (Huracán)
2014年10月1日、アステリオン (Asterion)

このうち非常にクリーンなデザインだったムルシエラゴとガヤルド自体は、
前任のルク・ドンカーヴォルケ (Luc Donckerwolke) 氏によるもので、
モデル末期に施されたリファインを手掛けています。

つまり、レヴェントン以降の、
超絶複雑で入り組んだ特異な造形で知られることとなる、
近年のランボルギーニにおける強いインパクトを残した、
重要なモデルすべてに関わっているわけですが、
この新しいランボルギーニのデザインが構築されていく、
流れの初期の過渡期にあったコンセプトカーの一台がエストーケになるわけです。

ガンメタリックのボディカラーが硬質なデザインによく似合っています。
一見シンプルな造形に見えますが、
大きな面同士を細かい面やプレスラインが、
かなり微妙な角度の組み合わせるで繋ぎ合わせることで、
構成されている造形なのがわかります。

綺麗な張りを持った面はクリーンで無機質で、
これに深い凹凸が奥行と量感を持たせるアクセントとなって硬質な緊張感を漂わせ、
その対比が映える造形となっています。

エストーケにはガヤルドLP560-4に用いられた、
5.2 ℓ V10ユニット (560ps、55.1kgm) をフロントに搭載し4輪を駆動します。
搭載するエンジンにはターボ付きのV8やディーゼルの搭載も検討されていました。

ノーズにV10エンジンが搭載されているとなれば、
極端なロングノーズになりそうなものですが、
かなり大径のホイールが四隅に踏ん張っており、
前後のオーバーハングが短めなので間延びした感じはありません。

キャビンの空間を確保しながらも、
Aピラーを寝かせてキャビンの空間を薄く見せ、
サイドのびやかでダイナミックな弓なりのキャラクターラインを、
ノーズから差し込んでボディの上下の厚みを調整し、
リアフェンダーに沿って切り上げることで動きを出しています。

サイドビューで全体のフォルムを観察すると、
ポルシェのパナメーラと比較するとかなり重心が後ろに来ていて、
スピード感のあるシルエットであることがわかります。

ボンネットの立体的な造形が超シャープで非常に彫刻的です。

クオータービューで見ると前後でフェンダーが張り出していることが分かります。

フロント、テール共に特徴的なLEDヘッドライトユニットが、
シャープで精悍な表情を作っています。

精密にカットされた宝石や鉱物の結晶のようで美しいディテールです。

インテリアはホワイト基調で上品な仕立てになっています。
このインテリア、品があってかなり良いですね。
ただ高級感があるだけでなく、
あくまでハイパフォーマンスカーのブランドであるランボルギーニらしく、
独立型スポーツシートを4つ配備するなどスポーティーな構成となっています。

個人的にはフロントの表情は少しエアインテークが大きすぎるようにも感じますが、
2+2ではなくゆったり乗れる4ドアの4シーターともなると、
当然ホイールベースが長くなるので、
これだけ大径のホイールを装着すれば、
本来はフロントオーバーハングをもっと長く取らないとノーズが薄くならず、
スーパーカースタイルに見せることが難しいのだと思われます。

フロントオーバーハングは短くしながらも、
縦方向のボリュームをうまく処理するために、
サイドのキャラクターラインを切り下げながらフロントに回して、
ノーズの中央に頂点を集めて尖らせるフロントフェイスの造形テーマは
レヴェントンからアヴェンタドールやウルスまで共通しています。

リアフェンダーを大きく張り出させることで、
ハイライトが単調になることを避け、
躍動的でスタイリッシュなプロポーションを演出しています。

※ ハイライト:物体の表面で光源の反射により明るく光る部分。

5メートルを超える全長ながら2メートルを切る全幅のため、
かなり細長く見えます。
5,105mm × 1,990mm × 1,350mm

画像は北イタリアのボローニャ県
サンターガタ・ボロニェーゼにあるランボルギーニ博物館
LAMBORGHINI MUSEUM(Shuttle Museo Lamborghini)訪問時に撮影したものです。

   

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